ADHDで約束の時間や予定を忘れる人へ ―― 当事者が遅刻をなくした「5分前アラーム」とタスク管理の仕組み

生活の工夫/2026年5月時点

ADHDの「予定や約束を忘れる」は、やる気や記憶力の問題ではなく、過集中(一つのことに没頭すると他が頭から抜ける)と切り替えの苦手さが大きな原因です。だから精神論ではなく“仕組み”で防ぐのが効きます。当事者として効いたのは、(1)予定の5分前に必ずアラームを鳴らし、鳴ったら他のことをやめて準備だけする、(2)頼まれごとは受けた瞬間にタスク化し、通知(リマインド)が来るようにする、の2つでした。

なぜ予定や約束を忘れてしまうのか

私自身、仕事のミーティングの時間をよく忘れて、開始時間を過ぎてしまうことがありました。不思議なもので、開始30分前くらいまでは覚えているのです。ところが、10分前くらいに別の作業を始めてしまうと、そちらに過集中してミーティングのことが頭からスッと抜け落ち、気づいたら開始時間を過ぎている——ということが何度もありました。

これは「だらしない」「やる気がない」のではありません。ADHDの不注意や実行機能の特性、そして一つのことに没頭すると切り替えにくい(過集中)という特性が背景にあります(参考:LITALICO仕事ナビ)。記憶力で何とかしようとしても抜けてしまうので、「自分の脳に覚えさせる」のをやめて、外側の仕組みに任せるのがポイントです。

効いた方法①:予定の「5分前アラーム」ルール

私がやって一番効いたのは、ミーティングや予定の5分前に、必ず携帯のアラームをセットしておくことです。そしてアラームが鳴ったら、その瞬間に今やっていることをやめて、ミーティングの準備だけをする(他のことを始めない)と決めました。これだけで、遅刻するのをほぼ防げるようになりました。

なぜ効くかというと、過集中している最中でも、音は強制的に割り込んでくるからです。頭の中の記憶に頼らず、外から「今だよ」と知らせてくれる仕組みにするわけです。

続けるコツは3つ。毎回、必ずセットする(たまにだと忘れる)。5分前にする(直前すぎず、準備の余裕がある)。鳴ったら“準備だけ”に切り替えると動作を決めておく。カレンダーアプリの予定通知でも同じことができます。

効いた方法②:頼まれごとは「その場で即タスク化」+通知

もう一つ欠かせないのが、タスク管理です。私は仕事で何か依頼を受けたら、その場ですぐにタスクとして登録するようにしています(自分用に作った仕組みを使っています)。ポイントは2つで、登録が一瞬でできることと、指定した日時になるとパソコンに通知(リマインド)が来ること。これで対応漏れがなくなりました。

市販のタスク管理アプリやリマインダーでも、同じことができます。大事なのは「あとで登録しよう」をやめて受けた瞬間に登録すること、そしてリマインドを自分が必ず気づく場所(パソコンの通知など)に出すことです。

効かなかった方法(正直に)

逆に、私には続かなかった方法もあります。LINEのリマインダー機能は便利そうで使ってみたのですが、スマホで文字を打ってリマインドを登録するのが面倒になり、だんだん使わなくなってやめてしまいました。

ここから学んだのは、「続く仕組み」には条件があるということです。①登録が一瞬でできる(面倒だと続かない)、②向こうから割り込んで知らせてくれる(自分から見に行く方式は忘れる)。付箋や手帳のように「自分が見に行く・手間がかかる」方法は、私には続きませんでした。自分に合うかは、続くかどうかで判断するのが現実的です。

まとめ:根性ではなく“仕組み”で防ぐ

予定や約束を忘れてしまうのは、気合いが足りないからではありません。脳に覚えさせるのをやめて、アラームや通知という外の仕組みに任せる。そして、その仕組みは「一瞬で登録できる・向こうから知らせてくれる」ものを選ぶ。これだけで、かなり楽になります。

よくある質問(FAQ)

アラームを止めても、つい無視して別のことを続けてしまいます。
鳴ったら「準備だけする」という小さな行動に決めておくと動きやすくなります。1回で気づけないなら複数回・スヌーズにし、音や置き場所を変えるのも有効です。
タスク管理アプリは何がいいですか?
続く条件は「登録が一瞬でできる」ことと「向こうから通知が来る」こと。スマホ入力が面倒なら音声入力やパソコン通知を使えるものを。合いそうなものを2つ試して選ぶのがおすすめです。
予定を忘れてしまうのは発達障害だからですか?
誰にでも起こりますが、頻繁で生活や仕事に支障が出ているなら、背景にADHDなどの特性がある場合もあります。気になる場合はセルフチェックや医療機関で相談してください(これだけで判断はできません)。

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この記事は当事者の体験と一般的な情報をまとめたもので、医学的な診断・医療行為ではありません。困りごとが続く場合は医療機関にご相談ください。