ADHDの診断を受けて感じたこと ―― 楽になったこと・しんどかったこと【当事者の体験】

診断・受診/2026年5月時点

生きづらさを何とかしたくて迷っているなら、発達障害(ADHD)の診断を一度受けてみる価値はある、というのが当事者としての私の結論です。診断は魔法の解決策ではありません。ただ、「うまくいかないのは自分が悪い」と責め続けるループから抜けて、対策を立てられるようになるのは大きな変化でした。診断が出ても、障害者手帳を取るか・障害者雇用で働くかは自分で選べるので、診断=何かに縛られる、ではありません。(これは私個人の体験で、医学的な助言ではありません)

なぜ診断を受けようと思ったのか

私はこれまで、いろいろな仕事をやってみても長続きしませんでした。日常生活も仕事も、どちらもなかなかうまくいかない。忘れ物が多く、ミスも多い。そういうことが積み重なって、メンタルを少し崩してしまった時期もありました。

「診断を受けたら、少し楽になるのかな」「自分の状態がわかれば、適切に対処できるようになるのかな」。そう思って、受診を決めました。何か特別な決意があったというより、このままではしんどい、というのが正直な出発点でした。

診断されたときの、正直な気持ち

診断されたときの気持ちは、ひとことで言うと複雑でした。「やっぱりそうだったか」という納得もありました。その一方で、「こういう項目は、誰でもある程度は当てはまるのでは?」「このテストは本当に信用できるのか?」という懐疑的な気持ちもありました。

これは多くの人が感じることだと思います。スッキリ受け入れられる人もいれば、私のように半信半疑のまま受け取る人もいます。どちらの感じ方も自然なものだと思います。

診断を受けて「楽になった」こと

一番大きかったのは、「自分にはこういう特性があって、うまくできないことがたくさんある」とはっきり自覚できたことです。

それまでは、何かうまくいかないと、ただ自分を責めるだけでした。でも診断を受けてからは、うまくいかないときに「どうすれば防げるか」を考えて、対策を立てられるようになったのです。自分を責めることに使っていたエネルギーを、工夫することに回せるようになった、という感覚です。この変化だけでも、私には受けた意味がありました。

期待しすぎないほうがいい「しんどかった」こと

正直に書くと、診断を受けても解決しなかったこともあります。

ひとつは働き方とお金の問題です。診断されても、障害者雇用(オープン)は賃金が低めで求人も少なく、生活していくことを考えると、私は一般雇用(クローズ)を選ばざるを得ませんでした。診断がそのまま働きやすさや収入につながるわけではない、という現実はあります(この点は就職・働き方の章で詳しくまとめています)。

もうひとつは薬のことです。私はある時期にストラテラ(ADHDの治療薬)を飲んでいましたが、胃のむかつきなどの副作用が自分には合わず、今は飲んでいません。薬の効果や副作用の出方は人によって違います。合う・合わないがあるので、使うかどうかは医師と相談しながら決めるのが安心です。診断=すぐに薬で解決、ではありませんでした。

診断を受けるか迷っている人へ

今まさに生きづらさを感じていて、それを何とかしたいと思っているなら、まずは診断を受けてみるのはアリだと思います。

診断を受けることで、私のように自分を責め続けなくて済むようになる場合があります。そして、仮に発達障害という診断が出たとしても、障害者手帳を取得するかどうかは自己選択ですし、障害者雇用で働くかどうかも自分で決めればいい。診断によって何かに縛られることはありません。

まずは正式な診断を受けて、自分の傾向をしっかり把握する。そのうえで、日常生活や仕事をどううまくこなしていくかをお医者さんと一緒に考えてみる。そういう使い方もアリだと、私は思っています。

よくある質問(FAQ)

ADHD(発達障害)の診断を受けるメリットは?
自分の特性を自覚でき、うまくいかないときに自分を責めるのではなく対策を考えられるようになることです。私の場合は「自分が悪い」と責め続けるループから抜けられたのが一番の変化でした。自立支援医療などの支援につながる入口にもなります。ただし診断はゴールではなく出発点です。
診断を受けると、何かに縛られたり制限されたりする?
いいえ。診断が出ても、障害者手帳を取るか、障害者雇用で働くかは自分で選べます。診断を受けたからといって生活が自動的に縛られることはありません。使える制度を知ったうえで、自分に合うものだけ選べばよいと考えています。
ADHDと診断されたら、薬を飲まないといけない?
必須ではありません。薬を使うかどうかは医師と相談して決めるもので、効果や副作用の出方は人それぞれです。私はある薬で副作用が合わず、今は飲んでいません。合う・合わないがあるので、医師と相談しながら調整するのが安心です。
発達障害の診断はどこで受けられる?
精神科・心療内科で受けられます。発達障害者支援センターでも相談や医療機関の案内を受けられます。受診の前に、無料のセルフチェックで傾向の目安を把握しておくと、医師に状況を伝えやすくなります(セルフチェックは診断ではありません)。

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通院費を原則1割に:自立支援医療の解説

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この記事は当事者の体験と一般的な情報をまとめたもので、医学的な診断・医療行為ではありません。診断や治療については医療機関にご相談ください。気持ちがつらいときは、ひとりで抱えずこころの相談窓口(厚生労働省)なども利用できます。